Substance Alchemistのオープンベータが開始
Substance Alchemistのオープンベータが開始されました。
今回はAlchemistを実際に触ってみた感触と、Substanceについての話題です。
- Alchemistオープンベータへの参加、Substance Launcher、Epic Gamesアカウントとの連携
- EXPLORE
- INSPIRE
- CREATE
- Bitmap to Material
- 感想
Alchemistオープンベータへの参加、Substance Launcher、Epic Gamesアカウントとの連携
GDC2019でSubstance Alchemistのオープンベータが発表され、早速開始されています。
サブスクリプション加入者・学生が参加可能で、それ以外の人は3ヶ月間に限り参加出来るようです。
公式サイトでログインしてからアカウントのライセンスページに行くか、同じくベータのSubstance Launcherからインストール出来ます。
実はここでSubstance Launcherのベータが始まっている事にも気付きました。
ついでにこれもインストール。
更にアカウントページのPARTNERSHIPも気になったので覗いてみると、なんとEpic Gamesアカウントとの連携が。
連携するとSubstance Sourceでのダウンロードポイントが追加で月/30pt貰えるようです。(5/6追記:毎月ではなく初月の模様?)
Epic GamesとAllegorithmicからそんなニュースは見た事無かったんですが、いつから始まったんでしょうか。とりあえず月60pt貰えるようになったので嬉しいです。使い切れる気がしません。
EXPLORE
さて、LauncherもインストールしたのでAlchemistを起動してみます。
現在のバージョンは0.5.3のようです。
割と起動が早く、Painterよりも早い気がします。
見た目はSubstance Sourceに近いです。というよりSourceの3Dビューポートほぼそのままです。
この画面は左上のEXPLOREを選択した状態です。右上の三本線のTWEAKを選択するとパラメータが表示されます。
EXPLOREという事で、ここでマテリアル作成に使用する素材を吟味する感じでしょうか。
マテリアルは.sbsar形式のファイルをインポート出来るので、SourceやShareでダウンロードしたファイルやDesignerで作成したものを素材として活用出来ます。
ちなみにRESOURCEの欄にはGeneratorsという項目が有り、ここでジェネレータを選択できます。
木の葉や枝など、マテリアル上に部分的に追加したい時に使えそうです。
INSPIRE
次にEXPLOREの隣のINSPIREを試してみます。
MATERIAL VARIATIONとCOLOR EXTRACTIONの欄が表示されました。
COLOR EXTRACTIONには画像をドラッグ&ドロップ出来るので、適当な画像を入れると色を抜き出して自動的にカラーバリエーションを作成してくれます。
One preset per extracted colorをオンにしないと1種類しか出ないので注意が必要です。
リファレンス用資料が用意されていてその色指定に従ってマテリアルの色を合わせる場合に使えそうです。
単純にマテリアルのカラーバリエーションを増やしたい時に自然な色を短時間で作るのにも有効な気がします。
CREATE
次にCREATE。これがAlchemistの肝になる部分です。
Painterと似たようなLAYERSの欄が表示されました。
つまりマテリアルをレイヤーでブレンド出来るという事ですね。
この辺もPainterと同じなので、まずはPainterの感覚でレイヤーを追加してみます。
湿った土の上に雪が積もっているイメージで、マテリアルを2つ追加しました。
レイヤー上位のマテリアルにBLENDと表示されています。
パラメータの欄にもBlend Methodがあります。
デフォルトではHeight Blendになっていて、一定の高さの範囲のみにブレンド出来ます。
Directionは高さを上下どちらから見るかなので、ほぼInvertと同じで逆転です。
雪解けをイメージして、Height Offset・Blend Opacityを下げてみます。
更にラフネスを下げたり、マテリアル固有のパラメータで足跡を追加してみました。
下地のマテリアルでもラフネスを下げると反射が強まって濡れている感じが出ました。
ここまではほぼPainterと同じような操作で出来ました。
更にフィルター等を使ってみます。
Add a layerを選択すると大量に項目が出ます。
もうちょっと水の質感を入れたかったので、試しにWaterを使ってみます。
上手く雪解け水を追加できました。
少し砂利を入れつつ、Adjustmentで全体の反射や高さを調整しました。
とりあえずこれで完成として、エクスポートしてみます。
右側の上矢印を押すとエクスポート画面が出ます。
Formatで画像やマテリアルとして出力出来るようです。
各テクスチャマップの指定も出来ますが、それぞれどの色にするか等の細かい指定は出来ませんでした。
試しにPNGで出力すると、ベースカラーとノーマル以外はグレースケールになりました。
PainterのようにRGBA指定して複数のマップを1つに収められるととても使い勝手が良くなるので要望を出そうと思います。
なお、マテリアル自体を一時保存するにはフロッピーのアイコンを押せばOKです。
LIBRARYの欄に追加されるので、更にそれを素材として利用することも出来ます。
Bitmap to Material
最後に、AlchemistがB2Mを代替するというBitmap to Materialの機能を試してみます。
ビューポートに画像をドラッグ&ドロップすると、画像をどのように使用するか問われるので、Bitmap to materialを選びます。
画像は先程作成した雪解けマテリアルのベースカラーを使い、ベースカラーからマテリアルを再現してみます。
調節してもまだ高さが雑で、反射も思い通りではないですが、ここからフィルタ等をかけて調整すればだいぶ良くなりそうです。
少なくとも以前のB2M単体よりは使いやすくなっています。
感想
思っていた通り、Painterの感覚でマテリアルをカスタマイズ出来る良いツールです。
基本はマテリアルのブレンドで作業するのかと思っていたら、想像以上にフィルターが多かったのが嬉しい誤算でした。
フィルターはインポートする事も出来るので、Substance Shareで投稿されたものやDesignerで新規作成したものを使うことも可能だと思います。
今回は試しに触っただけなのでまだ紹介していない機能があります。それらについても後々触れたい所です。
ちなみにAlchemistについては既にドキュメンテーションが公開されているので、詳しく正しい情報はこちらを参照。