UE4.25がリリース&UE5が発表
UE4.25がリリースされました。
また、UE5が発表され、PS5で動作するデモの動画が公開されました。
今回もUE4.25とUE5の気になる点について触れています。
UE4.25
まずリリースノートはこちら。
NiagaraがついにProduction Readyになりました。
また、レイトレーシングも同様です。
一方でChaosはまだBetaなので、以前として使用にはソースからコンパイルが必要です。
UE4.25も色々追加されていてなるべく紹介したいのですが、今回はUE5にも触れたいので4.25で取り上げるのは1つだけにします。
Volumetrics Plugin
僕がUE4.25で気になっているのでVolumetrics Pluginです。
名前の通り、ボリューメトリック系を扱うプラグインで、プラグインコンテンツにはサンプルとしてボリューメトリッククラウドや流体シミュレーションが入っています。
よく出来てるなあ pic.twitter.com/BuuMbzWIRw
— tekktekk (@tekktekk_pz3) 2020年5月8日
ボリューメトリック自体はマテリアルでおよそ出来るものなので、ボリューメトリックを提供するプラグインというよりは、サンプル的意味合いが強いプラグインだと思います。
ボリューメトリックというとパフォーマンスが気になる所ですが、色々調整出来るようになっているので使い方次第で実用できそうです。
UE5
そろそろ次世代コンソールが迫る時期ですが、UEはどうなるのかな~と思っていたらUE5が来ました。
2021年初頭にプレビュー版、後半にフルリリースの予定との事です。
UE5の機能
デモに合わせて紹介されている内容では、
・Nanite
仮想化マイクロポリゴンレンダリングによりポリゴン数の制約が大幅に改善。
デモでは1メッシュ数億ポリゴン程度を使用。
デモで写っている石像1体が実際に億単位のポリゴンを持つとのこと。
・Lumen
動的クローバルイルミネーション(レイトレーシングとは言及されていないみたい?)で、広大なレベルもカバー可能。
ベイクが必要無いと言われていますが、ライトマップのベイクが不要と言う意味なのか、プローブ等を置いてシーン情報をベイク等すら不要という意味なのかで変わってきそうです。
後者であればライティングのワークフローはかなり負担が減ると思います。
僕はもともと動的ライティングのみ使っていたので、そのままクオリティアップ出来そうなのが嬉しいです。
・Chaos、Niagara、Virtual Texture、Convolution Reverb
最近のUE4アップデートで追加された機能が使われていると言及されています。
テクスチャに関しては、Virtual Texureで8kのものを使用しているとのこと。
などです。
レンダリング周りを一新しつつ、UE4に新規投入した機能をそのまま使っていくという感じでしょうか。
コード・スクリプト周りに関してはまだ情報が見つかりませんでした。
UE4との互換性
また、その他にもUE4との互換性について触れられており、UE4からUE5へプロジェクトを移行可能と言及されています。
これに関しては、以下のインタビューでは”UE4におけるバージョンアップ数回分の労力”が移行にかかると言われています。
フォートナイトも2021年中期にUE5へ移行予定との事で、UE3→UE4の時のような別物ではなく、単純なアップグレード版になりそうです。
* And high end PCs
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) 2020年5月15日
* And with features for scaling the content down to run on current generation platforms using traditional rendering and lighting techniques
Tim Sweeney氏によると、現世代機用にスケールダウン出来るようになっていて、従来のレンダリング・ライディング手法も使えるとのこと。
UE4の機能をある程度維持しつつ新しい機能が使える、と思ってよさそうです。
PS5の性能に合わせたデモ
気になるのは、今回のデモがPS5に合わせて作られたという点です。
PS5はストレージ周りで飛躍的に性能が向上して転送速度が上がっているとの事で、それがデモにも生かされているそうです。
恐らくはデモ後半の飛び降りながら高速で移動するシーンだと思われます。
億単位のメッシュを次々とストリーミングしていくのにPS5の性能が必要、という感じでしょうか。
なお、先程のTim Sweeney氏のツイートではNaniteとLumenはXbox Series XとハイエンドPCもフルサポートするとの事なので、ある程度のストレージ性能があれば使用可能になりそうです。
PCだとバラつきが大きいので、スケーリングする機能がほしい所です。
Naniteによるポリゴン数制約からの解放
Naniteによってポリゴン数の制約が無くなる事で、ポリゴン数の削減作業・LODの作成・ローポリメッシュへのベイク等の作業から解放されるようです。
つまりはポリゴン数に係るアーティストの最適化作業を大幅にコストダウン出来るという事ですが、個人的にはNanite自体の最適化はどうなるのかが気になっています。
テクスチャストリーミングの最適化のような作業になるのかな、と個人的には想像しています。
また、億単位のメッシュとなるとファイルサイズも相当なものになるはずで、かなり圧縮する必要があります。Naniteではその辺りにどう対処しているのでしょうか。
最後に
他にも色々と気になる点がありますが、続きはUE5の続報が出たらまた記事を書きたいと思います。
ちなみに、僕の個人プロジェクトはUE5に移行する予定です。
まだプロトタイプが終わっていないので移行が可能な時期であるのと、移行自体にそれほどコストがかからないだろうと見ている為です。
マーケットプレイスのコードプラグインをどうするかが悩み所で、その点を考えながらまずはプレビュー版を待ちたいと思います。